大学入試の方法も多様性あっていい!

大学入試、中学や高校入試の時期ですね。受験生はただでなくでも体調管理に気を遣うのに、コロナ対策や寒い時期のテスト期間ということで、悪天候や交通機関の乱れなどに遭遇することも・・・いろんなプレッシャーの中での受験期間となります。何事もなく実力が発揮して欲しいです。

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ところで、今回の大学入試共通テストの受験者数が減り、学校推薦入学や総合型選抜(旧AO入試)で大学に入る人の数の方が、一般入試より若干数上回ったそうです。推薦などの入試を利用した場合は、秋頃から出願し、合否結果も早く出ることから、一般入試が行われるこの時期には既に進学先が決まっています。これを『親ガチャ入試』とも言われてるそうです。

一般入試と推薦などの入試の違い

一般入試は、内申書など必要ないですし、その日のテストの点数で決まっていきますから、一発逆転もあり得るし、実力が発揮できないで終わることも、その日、その時の調子で決まります。反対に推薦入試などは今まで積み重ねてきた経験や社会奉仕活動、部活動なども含め、学校側が求める学生像に合うかどうか、それが認められるかどうかという点が大きく違うと思います。お金や時間をかけられる受験生に有利な入試と捉えられていて、『親ガチャ入試』という呼び方がされるようになったようです。

海外の大学の入試形態は?

欧米の大学入試では日本の一般入試のような形態はなく、総合型選抜に近い形で出願することが多いです。出願期間も4〜5ヶ月あったり、数週間で締め切る所もあったりと、同じ学校でも学部で違ったりします。

小学校3年生くらいから高校2年生くらいまでに何をどれだけやって出願に繋げるか、特に大学進学を自分で考えられない年齢の小学生の間は、親の考えや与える環境が大きく影響することは当然です。それくらい長いスパンで将来のことを考えて生活しているということです。そう意味でも『親ガチャ』なのかもしれません。

早い時期からの情報収集と受験と戦う覚悟を!

大学進学するのに必要な基礎学力を計るだけのテストであれば、別にこの寒い季節の厳しい時期にすることもないですし、高校3年生の夏から秋にかけて数回の実施日を設ければ証明できると感じます。何も負担が多い冬の季節に実施することもないと思っています。

それと、中学に入ったら学校の進路指導で高校受験だけでなく、大学受験も見据えた指導をしてもらえると保護者に知識がなくても、親子共に学校の先生に指導を受けながら将来について考える機会にもなると思います。

しかし、どんな進路指導の先生に担当してもらえるか判らないのですから、『親ガチャ』があるなら『先生ガチャ』もあると思うんです。子供がどんな『ガチャ』を引き当てるのか、それ次第???子供自身が自分にとって良い『ガチャ』を引き寄せられる力を身に付けられるか、ということなのかもしれません。それが今の現実なような気もします。

我が家も進路指導の先生には恵まれせんでしたので、学校の先生には『推薦状や成績証明などを戴くことだけ』と割り切り、自分達で情報を集め、集まりやエージェントに足を運んだりして海外入試を乗り越えてきました。親子で覚悟ができると、案外やれるもんですよ。

『親ガチャ入試』はダメなのか?

大学全入時代に入った今、既存の大学入試制度では合わなくなってくるのは当然の流れです。難関校は超難関校になり、超難関校は超超難関校になり、『親ガチャ入試』で大学に入学する人は増えていく傾向。でも果たしてそれは、悪いことなのでしょうか。

大学入学を目標にして10年の間、努力し続けてきた人にも与えられる大学入試の選択肢があることで、勉強だけではなく芸術やスポーツ、社会活動を通して経験したことを活かせる場があることで拓けていける人生があっても良いと私は思っています

私が思うこと

大学入試制度が多様化することで、その子に合った就学期間を過ごし大学進学できる選択肢があるということは子供にとっても可能性を広げるチャンスだとも感じています。『いろいろなガチャ』があるかもしれませんが、多様性のある入試方法があることが一般的になり、広く認知されるようになれば、もっと意義のある学校生活や自分の人生に対して前向きに考えて日々の生活を送ることができるようになると思っています。そのような大学入試になれば高等教育のあり方も含め、変わっていくのではないかと感じます。

現行、直ぐに変わることがないかもしれない入試制度ですが、俯瞰的にこの制度と向き合っていくしかありません。受け入れるしかないことですが、それに負けずに自分の将来を考えられる子供さんが、たくさんおられることを信じたいと思います。

<カナダの大学>4年間で卒業できるのは4割以下

2022年秋学期も無事に終了の子供。この冬休みは、のんびり過ごしていることでしょう・・・学校が始まれば、また睡眠時間を削ったり息つく暇もない生活が始まるので、今のうちにゆっくり休んで欲しいものです。

子供が通っているカナダの大学は、4年で学士を卒業できるのは4割以下だそうで、日本のように4年間で卒業できる環境にはないのが一般的。

授業を取っている間は、課題や予習、復習などに追われる日々です。海外大学では追試はないので、単位を落とせば、また次の学期にその科目を受講して成績を出さないと単位取得になりません。必須科目で躓いてしまうと、それだけで卒業する時期が遠のいていきます。また、履修したい科目を取るのに、関連科目の成績が条件に達していないと履修登録できなかったりする科目があったりと、日本の大学より厳しい条件下で単位を積み重ねていくことになります。

また夏休みも開講している授業があり、熱心な生徒は2単位までなら夏学期に授業を取ることが可能なので、そこでも学ぶチャンスがあります。夏学期は6週間で通常タームの授業と同じ内容を受けることになるので、時間割は少し大変ですが、落とした単位のリカバリーも可能ですし、卒業に向けての単位を稼ぐこともできます。

日本の大学では、どうでしょうか?

『生徒のために』と言うのが、あまり感じられないです。奨学金一つにとってもそうです。返済不要の奨学金の数が少ないように感じます。海外では学費・寮費など全て返済不要の奨学金が出るものから、金額は低いものの、ちょっとした成績で取れるものなど、多岐に渡って設定されていることが多いです。その上で、教育ローンを組んで大学へ進学する生徒もいるということです。返済必要な奨学金が多い日本の大学の奨学金制度は、『生徒のために』という感じがしない理由はこういう所にあります。

卒業式もそうです。子供の通ってる大学は年に2回あります。海外の大学の卒業式は6月頃にあるイメージだと思いますが、11月にも同じように開催されます。大学を卒業する生徒の人数が6月が多くなるのは、高校卒業して大学に入るのが秋なのが一般的なので、相対的にみて6月卒業者が多いというだけです。日本でも4月に一斉に入学して3月に一斉に卒業するのと同じ原理です。

ですが、海外の場合、卒業のタイミングは人によって違うこともあるので、11月にも設けてくれているのです。卒業が早まった場合、半期分の授業料は支払わなくて良くなりますし、単位が思うように取れなくても半期で取れれば卒業できるわけですから、生徒にとって計画が立てやすいです。

海外では大学を卒業すると即戦力で働くことになり、企業が人材を育てることはしませんから、就職時期も一斉ではありませんので、こういう点から考えても『学生のために』という視点ではないと感じます。

教育の差や違いが大きく影響することは明らかなのに、変わっていかない制度の中で、これからの子供達はどうなっていくのか、と少し憂いでいます。日本の良い教育部分を活かし、世界にも通用する経験や教育環境が整っていくことを願うばかりです。

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