自分の子育てを振り返って・・・ヘリコプターペアレントとは?

最近、耳にした『へリコプターペアレント』。この言葉の響きからは全く何のことを言っているのか想像ができなくて、『どういう意味なんだろう?』と思って調べてみました。

へリコプターペアレントとは

アメリカで生まれた言葉で、ヘリコプターがホバリングするように子供を見張ったり、必要以上に関わり続ける親のこと。

こどもチャレンジなど、幼児教育で有名なベネッセのサイトよりへリコプターペアレントについての記事を添付しておきます。

過保護や過干渉という言葉の方が、アラフィフの私には理解しやすいです。日本における少子化現象が止められず子供の人数が減り続け、またSNSの発達により、よりクローズアップされやすくなったのかもしれません。でもへリコプターペアレントと呼ばれる事例は、言い方や、多少の背景は違うかも知れませんが、いつの時代もあるような気がします。

私自身の子育てを振り返って考えてみると、もしかしたら、うちの子供が小学校低学年くらいまでは私もヘリコプターペアレントだった所もあったかもしれません。でもそれは、年齢に応じての我が家の子供の関わり方だったかなと今、振り返ってみれば思います。

うちの子供は早生まれで食物アレルギーがあり、その上、2歳くらいまでは夜泣きすることが多かったので、幼稚園に入るまでの時期が一番、大変でしたね。

今はどうか解りませんが、うちの子供が行ってた園は、入園までにオムツが取れていないといけなかったり、また、親が見ていない時間が少しずつ増えていく訳ですから、食物アレルギーのことを本人にもある程度、理解させておく必要があったりします。小さい頃の数ヶ月違いは、子供の性格もありますが、『幼稚園』という集団生活に入っていくための最初の準備になるので、どうしても親も神経質になりがちです。

『年齢に応じて』という括りは、とても難しいですよね。特に小さい子供の発達速度は個人差があり、年齢で区切るのは違う気がしますから、ヘリコプターペアレントに陥りやすい状況かもしれません。

今の子育て世代は、以前よりも共働きが増え、昔よりも物事のスピードが早くなってる現代では時間がいくらあっても足りないのではないかと想像しています。

子供の発育に合わせて『見守り』をしていくには、子供と向き合う時間が必要ですが時間に追われてしまう生活が続いてしまうと、先回りして事を運びやすくしたいと思うのも当然です。ヘリコプターペアレントにならない為には、親自身が心身ともにバランスを取ることかもしれません。心の余裕や周りのサポート(公私)など、子育てしやすい環境を整えることから考えないと、一過性であっても、ヘリコプターペアレントになってしまう時期が子育てしている以上、あるのではないかと思います。

でも子供の成長は、『待ったなし』ですし、経験の積み重ねですから、親としても悩ましい。子育ては長い期間かけてするものですから、正解もないし、ゴールも見えづらいです。そこをどう考えていくか、それぞれの家族で考えていくことになります。

うちの子供も今大学生ですし、メキシコとカナダということもありますが、よっぽどのことがない限り連絡はしないですね・・・でも周りで同じように国を跨いで、子供さんと離れてる方の様子を聞いてみると、毎日、音声通話してる人もいるし(時差があるので結構な負担だと、私個人的には思ってしまします)週末は必ず、連絡を取る人もいます。

もしかして、これもある意味で一過性のへリコプターペアレントに当てはまるかもしれませんね。

私が思うに大事なことは、子供にとって、その一場面だけを見て手助けするのではなく、中長期先を考えて、今、子供に経験させておくことは何なのか?それが親に見えていると、ヘリコプターペアレントになることを回避できるのではないかと思います。

子供同士のコミュニケーションが取りづらい幼児期は、どうしても親の出番が多くな理、周りが気になりヘリコプターペアレントになってしまうかもしれませんが、様々な情報を知ることによって、何事も行き過ぎる前に対処できれば良いですね。

海外の子供達は宿題がなくても長い夏休み期間を意欲的に過ごします!

6月に入ると、海外の多くの学校は数ヶ月の長い夏休みに入ります。日本のように『夏休みの宿題』というものはないので、日本人からすると、羨ましいと思ってる方が多いのではないかと思います。

でも実際は、この期間の活動ををどう過ごすか?各家庭、学年が進むと個人に、その内容が委ねられているということになります。選択肢も様々あり、ある意味、悩ましいとも言えます。

海外でいう『サマーキャンプ』とは?

2010年にアメリカ赴任した時に、すぐに悩ませたのは『サマーキャンプ』。日本人が、この言葉通りに受け取ったら解釈は、『どこかに数日間、宿泊して帰ってくる野外活動』ではないでしょうか。

そう思って、考えてたら大間違い。これは夏の期間に、学校を含め、いろいろな施設等で行われるアクティビティのことで、週に1回とか、平日毎日、数週間単位で行われるものなど、多種多様なプログラムのことなんです。もちろん、料金もかかりますし、人気のアクティビティは予約開始と共に満席になることもざらにあります。

どのように『夏休みを過ごすのか?』計画を春頃から立てておかないと、夏休みを有意義な時間にできないのです。

夏休みは勉強はしなくていないの?

学校の宿題はありませんが、お勉強系のアクティビティが用意されてます。もしくは、学校のプログラムもあり、夏休みだからと言って全く、学校の授業がないわけではないのです。授業に遅れを感じてるのなら、それ用のプログラム、中学生以降になると、単位が取れる授業も開講しています。通常の授業と同じ時間数を半分の期間で取得することになるので、授業の進度は倍のスピードになります。

これは大学でも同じで、うちの子供も、今年は夏の授業を受講中です。

メリットとしては、次の学期に必要な科目をスムーズに選択できたり、科目をたくさん取得することで、大学入試出願を有利にできたり、大学の場合は早く卒業できます。

学校からの宿題が出ていないからと言って、全く勉強していないわけではないのです。

日本との違い

日本では学年の始まりが4月なので、学年の途中で『夏休み』がやってきます。欧米では、『夏休み』が、年度の終わりの後なので、秋に迎える新学期を迎えるにあたっての準備期間と捉えることができます。それに気候的にも活動しやすいのと、何よりも期間が長いことで、活動したり休息したりと経験値を積むにも良い機会となります。

幼い頃から、社会に出るまでの『夏の活動』を過ごしてきた時間数を、海外の子供達と比較すると、この時間差はとても大きように感じます。

『夏休み』という言葉に惑わされない

海外の『夏休み』とは、学校の『通常の授業』が行われいないというだけで、変則的には授業やクラブ活動が行われていることが多く、完全に休業しているわけではないのです。

特に子供が小さい間は、親が情報を取らないと何も知らないまま『夏休み』を過ごすことになります。『夏休み』は休みでないないこと、長い期間であるがゆえに、普段できない幅広い活動に時間が充てられることの認識を持つことが大事です。

日本では、そういう時間を取ることが難しい教育行事になっているので、海外のような『夏休み』を過ごすことはできないまでも、様々な経験を積み上げる時間になるよう時間を有効に使える工夫をするしかないですね。

日本の大学も、単位を取得できる授業を開講するなど、生徒側がメリットを感じる高等教育を提供してもらいたいです。

私が考えること

もう1ヶ月もすれば、日本の学校も夏休みに入ります。今年はポストコロナ後で、ほとんど制限なしでの自由な計画を立てられますから、体験型のアクティビティを増やせる機会でもあります。

どんな時間を過ごすのかは自分次第です。有意義な夏をお過ごし下さい。

大学入試の方法も多様性あっていい!

大学入試、中学や高校入試の時期ですね。受験生はただでなくでも体調管理に気を遣うのに、コロナ対策や寒い時期のテスト期間ということで、悪天候や交通機関の乱れなどに遭遇することも・・・いろんなプレッシャーの中での受験期間となります。何事もなく実力が発揮して欲しいです。

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ところで、今回の大学入試共通テストの受験者数が減り、学校推薦入学や総合型選抜(旧AO入試)で大学に入る人の数の方が、一般入試より若干数上回ったそうです。推薦などの入試を利用した場合は、秋頃から出願し、合否結果も早く出ることから、一般入試が行われるこの時期には既に進学先が決まっています。これを『親ガチャ入試』とも言われてるそうです。

一般入試と推薦などの入試の違い

一般入試は、内申書など必要ないですし、その日のテストの点数で決まっていきますから、一発逆転もあり得るし、実力が発揮できないで終わることも、その日、その時の調子で決まります。反対に推薦入試などは今まで積み重ねてきた経験や社会奉仕活動、部活動なども含め、学校側が求める学生像に合うかどうか、それが認められるかどうかという点が大きく違うと思います。お金や時間をかけられる受験生に有利な入試と捉えられていて、『親ガチャ入試』という呼び方がされるようになったようです。

海外の大学の入試形態は?

欧米の大学入試では日本の一般入試のような形態はなく、総合型選抜に近い形で出願することが多いです。出願期間も4〜5ヶ月あったり、数週間で締め切る所もあったりと、同じ学校でも学部で違ったりします。

小学校3年生くらいから高校2年生くらいまでに何をどれだけやって出願に繋げるか、特に大学進学を自分で考えられない年齢の小学生の間は、親の考えや与える環境が大きく影響することは当然です。それくらい長いスパンで将来のことを考えて生活しているということです。そう意味でも『親ガチャ』なのかもしれません。

早い時期からの情報収集と受験と戦う覚悟を!

大学進学するのに必要な基礎学力を計るだけのテストであれば、別にこの寒い季節の厳しい時期にすることもないですし、高校3年生の夏から秋にかけて数回の実施日を設ければ証明できると感じます。何も負担が多い冬の季節に実施することもないと思っています。

それと、中学に入ったら学校の進路指導で高校受験だけでなく、大学受験も見据えた指導をしてもらえると保護者に知識がなくても、親子共に学校の先生に指導を受けながら将来について考える機会にもなると思います。

しかし、どんな進路指導の先生に担当してもらえるか判らないのですから、『親ガチャ』があるなら『先生ガチャ』もあると思うんです。子供がどんな『ガチャ』を引き当てるのか、それ次第???子供自身が自分にとって良い『ガチャ』を引き寄せられる力を身に付けられるか、ということなのかもしれません。それが今の現実なような気もします。

我が家も進路指導の先生には恵まれせんでしたので、学校の先生には『推薦状や成績証明などを戴くことだけ』と割り切り、自分達で情報を集め、集まりやエージェントに足を運んだりして海外入試を乗り越えてきました。親子で覚悟ができると、案外やれるもんですよ。

『親ガチャ入試』はダメなのか?

大学全入時代に入った今、既存の大学入試制度では合わなくなってくるのは当然の流れです。難関校は超難関校になり、超難関校は超超難関校になり、『親ガチャ入試』で大学に入学する人は増えていく傾向。でも果たしてそれは、悪いことなのでしょうか。

大学入学を目標にして10年の間、努力し続けてきた人にも与えられる大学入試の選択肢があることで、勉強だけではなく芸術やスポーツ、社会活動を通して経験したことを活かせる場があることで拓けていける人生があっても良いと私は思っています

私が思うこと

大学入試制度が多様化することで、その子に合った就学期間を過ごし大学進学できる選択肢があるということは子供にとっても可能性を広げるチャンスだとも感じています。『いろいろなガチャ』があるかもしれませんが、多様性のある入試方法があることが一般的になり、広く認知されるようになれば、もっと意義のある学校生活や自分の人生に対して前向きに考えて日々の生活を送ることができるようになると思っています。そのような大学入試になれば高等教育のあり方も含め、変わっていくのではないかと感じます。

現行、直ぐに変わることがないかもしれない入試制度ですが、俯瞰的にこの制度と向き合っていくしかありません。受け入れるしかないことですが、それに負けずに自分の将来を考えられる子供さんが、たくさんおられることを信じたいと思います。

『小1の壁』ってまだ改善されてないんですね・・・

私の子供が幼稚園に通ってる頃から言われ出した『小1の壁』という言葉。20年近く経った今でも、解決されていないことを先日のAbemaプライムTVのネット配信で知りました。

保育園の管轄省庁は厚生労働省、幼稚園は文部科学省と、同じ子供を育てる機関でありながらも縦割り行政になっているのもどうかとは思ってましたが、2023年4月よりこども家庭庁が発足、ようやく子供を取り巻く行政事務を集約して行う準備が整っただけ。実際は、これからスタートするので本当に機能していくのかは未知数。この遅れた20年をスピーディーに取り戻せるのか、是非、取り戻して頂きたいです!

なぜ『小1の壁』があるのか?

『小1の壁』は、子供が大人のライフスタイルに合わせるから歪みがあると思っています。もっと子供の立ち位置や思いを理解した仕組みを構築してもらいたいです。一般的な会社の始業時間は朝9時。でも小学校から高校までは8時半。小学校低学年は2時頃帰宅、でも正社員で働いてる人の終了時間は夕方5時とか6時。この2つのライフスタイルが合うわけがない・・・

アフターコロナになり在宅勤務が可能な働き方も選択でき、少しは子供に寄り添える家庭もあるかもしれませんが大半はそうでないのが現実です。子供の安全を考えれば、小学校中学年くらいまでは保護者やそれに代わる人たちが見守れる形態を作り、子供の成長に合わせた環境や教育を提供することが必要なのにも関わらず、『各家庭任せ』にしてしまってるのは本当に残念です。

アメリカの小学校を体験して感じたこと

2010年にアメリカに赴任して、現地の小学校へ通わすのに教育委員会に行きました。そこで説明を受けましたが、いろいろなサポートがあり、外国人の私たちも公平にそのサービスを受けられるとのこと。その上、英語の補講(ESL)も無料でしてくれるのです。正直、驚きでしかなかったのを覚えています。

どんな内容だったか思い出してみると・・・

・欠席連絡は専用電話番号があり、自動音声案内なので始業時間前でも、そこへ連絡可能

・学校の休校や天候による繰下げ開始など、こちらの事前登録電話番号に自動音声で連絡が入る

・学校終了後、友達の家へ行く場合は、所定の用紙を提出することで友達の乗るスクールバスにて一緒に行ける

・担任やスクールカウンセラーなど、各先生のメールアドレスが開示されておりメールの返信は24時間以内に行われる

・スクールバスも予め所定の用紙に『乗る曜日』を提出することで、毎日必ず利用しなくても良い

・小4までは始業前に、ベルリッツのような語学を学べるクラスや学童保育のようなプラグラムが用意されており、別料金は支払うが学校に早く登校することも可能。朝の給食(日本のようなものではなく、ヨーグルトと果物とシリアルバーみたいな感じ)も購入可能。

・小学校中学年から中学生の始業時間は朝の7:50頃だった記憶なので、スクールバスが7:15頃に来てました。高校生に至っては始業時間が7:20なので、早めのスクールバスの時間の子供は6:30頃には家を出ます。

・個人面談は保護者が行けるよう、平日の夜8時くらいまで時間設定可能。突発的な場合は始業時間前でも担当先生の了解があれば面談可能。

まだまだあるのですが、今ではもっとデジタル化が進んでいると思うので、コンタクト方法などは変わってる思いますが、見て判る通り、育ててる保護者にも子供にも配慮された内容になっています。これは私立ではなくて公立学校の話です。

日本の現状

日本は教育に関して『各家庭頼み』です。その『家庭』も所得が増えないのにインフレになり、益々、生活が苦しくなっているのにです。少子化で人口が増えない、日本の未来を背負ってくれる子供たちに国や自治体のサポートが少ない先進国日本なのです。2020年6月17日付 Newsweek日本版の記事を下に添付しておきます。

育児休暇や時短で働くのはまだまだ母親の方が多く、父親が習い事や子供を預けている場所にお迎えに行ってる家庭はまだ少ないのかもしれません。小学校就学年齢ではなく、もう少し長い期間を子育てする時間として捉えて、サポートする環境が社会全体で整うことを願います。

アメリカ赴任の時のお友達が、姉妹の習い事の時間や場所が違い、お迎えにバタバタしていた時に、習い事の先生に『あなたは、いつも忙しそうに子供の世話をしているけど、旦那さんは手伝ってくれないの?』と聞かれ、返答に困ったと言っていました。私も、習い事のお迎えに行くと、結構、パパさんのお迎え率が高かったので、何となくポツンと待ってたのを思い出します。

今の子育て世代への応援

今の若い世代の人たちは、だいぶ子育てに参加してるパパさんも多くなってるとは思いますが、上司の年齢が私の旦那さんくらいだと思うので、『会社での子育てへ理解』が難しいこともあるかもしれません。ですが、核家族化が進み、周りに頼る人もいない場合もありますから、お互いが協力して育てていくしかないので、一人で抱え込まずに楽しく子育てをして欲しいと思います。

『小1の壁』が1日でも早くなくなりますますように。

<カナダの大学>4年間で卒業できるのは4割以下

2022年秋学期も無事に終了の子供。この冬休みは、のんびり過ごしていることでしょう・・・学校が始まれば、また睡眠時間を削ったり息つく暇もない生活が始まるので、今のうちにゆっくり休んで欲しいものです。

子供が通っているカナダの大学は、4年で学士を卒業できるのは4割以下だそうで、日本のように4年間で卒業できる環境にはないのが一般的。

授業を取っている間は、課題や予習、復習などに追われる日々です。海外大学では追試はないので、単位を落とせば、また次の学期にその科目を受講して成績を出さないと単位取得になりません。必須科目で躓いてしまうと、それだけで卒業する時期が遠のいていきます。また、履修したい科目を取るのに、関連科目の成績が条件に達していないと履修登録できなかったりする科目があったりと、日本の大学より厳しい条件下で単位を積み重ねていくことになります。

また夏休みも開講している授業があり、熱心な生徒は2単位までなら夏学期に授業を取ることが可能なので、そこでも学ぶチャンスがあります。夏学期は6週間で通常タームの授業と同じ内容を受けることになるので、時間割は少し大変ですが、落とした単位のリカバリーも可能ですし、卒業に向けての単位を稼ぐこともできます。

日本の大学では、どうでしょうか?

『生徒のために』と言うのが、あまり感じられないです。奨学金一つにとってもそうです。返済不要の奨学金の数が少ないように感じます。海外では学費・寮費など全て返済不要の奨学金が出るものから、金額は低いものの、ちょっとした成績で取れるものなど、多岐に渡って設定されていることが多いです。その上で、教育ローンを組んで大学へ進学する生徒もいるということです。返済必要な奨学金が多い日本の大学の奨学金制度は、『生徒のために』という感じがしない理由はこういう所にあります。

卒業式もそうです。子供の通ってる大学は年に2回あります。海外の大学の卒業式は6月頃にあるイメージだと思いますが、11月にも同じように開催されます。大学を卒業する生徒の人数が6月が多くなるのは、高校卒業して大学に入るのが秋なのが一般的なので、相対的にみて6月卒業者が多いというだけです。日本でも4月に一斉に入学して3月に一斉に卒業するのと同じ原理です。

ですが、海外の場合、卒業のタイミングは人によって違うこともあるので、11月にも設けてくれているのです。卒業が早まった場合、半期分の授業料は支払わなくて良くなりますし、単位が思うように取れなくても半期で取れれば卒業できるわけですから、生徒にとって計画が立てやすいです。

海外では大学を卒業すると即戦力で働くことになり、企業が人材を育てることはしませんから、就職時期も一斉ではありませんので、こういう点から考えても『学生のために』という視点ではないと感じます。

教育の差や違いが大きく影響することは明らかなのに、変わっていかない制度の中で、これからの子供達はどうなっていくのか、と少し憂いでいます。日本の良い教育部分を活かし、世界にも通用する経験や教育環境が整っていくことを願うばかりです。

北米の准医師 Physician Assistantについて

北米ではPhysician Assistant (PA)という医師の下であれば、ある程度の医療行為も含めて、患者のケアが認められている職業があります。医師が側にいなくても電話やテレビ電話などでも指示がもらえれば医療行為や薬の処方もできます。患者のケアだけでなく手術のアシストも行えるということなので緊急治療室(ER)内で活躍することも可能です。

日本には残念ながら、このような制度がないようなので的確な日本語訳を付けるのは難しいです、医師助手?准医師?と言うしか今はありませんが、北米では、大学の学士課程を経て、院の課程にPAコースがあり、約24〜27ケ月の間に実習も含めてたくさんの内容を学びます。カナダでも取得できます。Master of Science(修士終了)を取得後に働きたい州のライセンステストを受験、合格すれば働けます。子供の通ってる大学にも院のコースにPAがあります。

カナダではカナダ国籍かカナダの永住権を取得していれば、この修士課程の受験資格条件を満たすとしている学校が多いです。

ライセンス取得後もスキルアップ講座には、参加することにもなってます。日進月歩の医療界、ブラッシュアップすることも必須でしょうから、このような制度になってるのだと思います。

これは余談ですが、ヨーロッパの大学でも特に院の課程になれば、英語で受けられるプログラムもあり、外国人にも道を開いている感はありますが、日本では、なかなか英語で授業を受けられる所は少なく、大学入学や国家試験などにも日本語能力試験での『日本語能力の提示』が必要となる為、外国人の方が日本で学んだり、資格を取り働くことはハードルが高いと思います。日本語自体、難しい言語ですから、海外の方が日本の大学等で学んだとしても、そのまま日本の医療界で働ける環境にあるかは別の問題(語学力)がある可能性は否めません。

日本語が難易度の高い言語の一つに関連する投稿ブログ▶︎ 表示を2ヶ国語にすれば?

話をちょっと戻して・・・北米で医師になるには学士で生物・化学系を終了しPre-Medという医学専門の課程へ行きます。ここまで終了するのに学士からストレートに単位を取っても約8年です。その後、数年、専門やインターン(臨床研修期間=レジンテント)など経験してから医師になりますので、高校卒業してから最短でも10年はかかります。専門にしてる分野の内容によってはレジデント期間が7年とかになるそうです。そうすると、高校を卒業してから15年しないと医師になれないということです。

日本では、大学医学部が6年。それを終了するれば医師国家試験の受験資格がもらえるので多くの方は高校卒業から6年くらいで医師になります。勉強する期間としてはPAと同じくらいです。

北米では医師になるには時間もお金もかかる為、PAという道を選ぶことで医療で働きたいと思ってる人への活路が見出されてる感じがします。

人材を育てるには時間がかかりますし、資材等は何とか準備できても、優秀な人材の確保には、どこの国も苦労していると思います。北米のPAのような職種が日本でも早くから認められていれば、新型コロナで大変な時期も、少しはマシだったのかもしれません。今後、日本の医療界の人材育成を始め、医療体制が変化していくのかどうか、見守る必要があるかもしれません。

ところで、2022年10月20日より始まったテレビドラマでPAのことが描かれている『ザ・トラベルナース』が放送されました。1回目の放送が終わったばかりですので、ご興味ある方は無料配信されているTverのリンクを貼っておきますね。

2022年秋のドラマ▶︎ ザ・トラベルナース#1 (Tver)

日本の制度で、看護師や医師免許に更新制があるのかどうかなど、医療従事者の免許内容を理解していないことに気付きました。今の日本の医療体制だと、かかりつけ医などの紹介状なしで、いきなり大学病院に行くと選定療養費の義務化により初診の診療料金が高く設定されています。

スキルの高い医療従事者が自分の家の近くの病院にいるのかどうかなど一般的には患者側は、情報もありませんし、病気をした時に、まずどこの病院に受診するのか、日頃から考えておく必要があるのかもしれません。

新型コロナ感染状況が落ち着き始め、経済活動も再開。海外からの旅行者の受け入れも始まり、これまで先延ばしにせざるを得なかった病気の人の治療も開始されてることでしょう。またいつ次の波がやってくるか解らない今だからこそ、より良い充実した医療体制に改善してもらいたいと願います。

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